あの頃。を見たお話
第3回
初めて3回目にして投稿間に合わず、日付超えちゃった。
実は、先日『あの頃。』という映画を観ました。
松坂桃李がハロプロオタクを演じるの?ドルオタなら観なきゃでしょ!と思って観に行ったのだけど、とてもいい作品だったのです。
多分この良さって何かをバカみたいに好きになって、
友達とバカみたいに盛り上がったことがある人ならわかるんじゃないかな。
良かったシーンはたくさんあるんだけど、
松坂桃李演じる劔(つるぎ)くんがあややと出会うシーンがすごく印象に残ってます。
コンビニ弁当食べながら何気なく再生し始めたDVDだったのに、
いつの間にか箸が止まって、釘付けになってしまう。
アイドルに出会って人生が変わる瞬間を松坂桃李は目の演技だけで表現した。
すごかったなぁ。
感情がめちゃくちゃ伝わってきて、その感覚が痛いほどにわかるから、
なぜか自分まで泣けてきてしまって、焦りました。
私もハロプロオタクではないけど、小学生の頃にAKB48のあっちゃん(前田敦子)のファンになって、それから10年以上いろんなアイドルを応援してきましたけど、
本当に出会いって突然なんですよね。
今までだって見たことはあったはずなのに、
急にその子から目を離せなくなってしまって、
この子のことをもっと知りたい。もっと見たい。って居ても立っても居られなくなるというか。
なんかそんなオタクの姿を誇張するでもなく、バカにするでもなく、
まっすぐ淡々と描いてくれたことが嬉しかったのかもしれない。
近年よくあるオタクを誇張してバカにする映画じゃなくて、
一人の生き方としてオタクが描かれていた。
そりゃそうですよね、オタクだってそこら中で普通に生活してんだから。
でも一般人に擬態しきれないところは、愛おしかったり。
その塩梅がすごくちょうどいい映画だった気がする。
そしてもう一つ嬉しかったのは、あの頃「は」良かった。にしなかったこと。
サブカルとかオタクとかがテーマになると、
あの頃は楽しかったけど、もうそうではいられないとか、
あの頃好きだったものはもうなくなってしまって、仲間たちとも会わなくなってしまったとか、
そういう結論になりがちなんですよね。
特に最近見た『花束みたいな恋をした』とか、こっちは本だけど『推し、燃ゆ。』とかはこっちよりだったから、なおさら嬉しかったのかも。
まぁ、実際はそっちの方が普通なんでしょうね。
上記の作品も面白かったし、『花束みたいな恋をした」の方なんかは名言多すぎてビビったし。笑
みんなあの頃があって、それを卒業して大人というかなんというか成長していく。
好きなもの自体も、解散したり卒業したり、最終回迎えたり、永遠じゃない。
でも、あの頃の時間ってそんなに虚しいものじゃないよって思う私も居て。
そんな時にこの映画は、
最高に楽しかったあの頃。があって、今はもっと最高だよ!って言ってくれてるような気がした。
これは私の解釈だからそれは違うだろって人もいるだろうけど。
でも最後の橋で、劔くんとコズミンが喋るシーンは、
そういう救いというか希望のシーンだったなって思います。
(詳しく知りたい人は、ぜひ映画館で見てください!)
これってハロプロのオタクの話だからこそより説得力あるんですよね。
モーニング娘。という20年以上輝き続けているグループもいて、
新しい若いグループもどんどんできてっていう、
本当にあの頃も今も楽しいって思える時間を届け続けてくれているハロプロだからこそ、あのシーンが魅力的だったんだろうなって。
そんな映画を一緒に見てくれたのは、
中学生で知り合った生粋のジャニーズオタクの友達でした。
彼女とは中高と毎日のように学校で推しの話をして、
たくさん一緒にコンサートも行って、北海道まで遠征したこともあって、
大学生になって会える時間は減ったけど、
それでも会うと、あの頃みたいに盛り上がれる。
そんな私の楽しかったあの頃も、
これからの楽しいも一緒に共有するんだろうなって人と、
「面白かったね」「いい映画だね」って語り合えるから、
きっと私は今、最高なんです。
あの頃があって、今がある。
そんな当たり前で、尊いことに気づかせてくれた作品でした。
恋ING聴きながら書いたら、涙腺ゆるゆるでやたらポエミーな文章になってしまった。笑